神生みを詳しく詮索する4

火の神である火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)を生んだ時、イザナミはその女陰を焼かれて病に伏します。以下はイザナミの病により生まれた神です。

金山毘古神(かなやまびこのかみ)

イザナミのたぐり(吐瀉物)により生まれた神さま。金山毘売神(かなやまびめのかみ)とは夫婦で夫神になります。「金山」とつくぐらいですから、金属や鉱物の神様とされています。嘔吐物が溶かした金属に似ているからといわれているようです。イザナミの口から吹き出すゲロが火口から吹き上げる溶岩に似ているからです。

金山毘売神(かなやまびめのかみ)

同じくイザナミのたぐり(吐瀉物)により生まれた神さま。金山毘古神(かなやまびこのかみ)の妻神になります。こちらも、金属や鉱物の神さま。

波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)

イザナミの屎(くそ=糞)により生まれた神さま。「ハニヤス」とは「埴粘(はにやす)」のことで、土器などを作る粘土のことのようです。埴輪(はにわ)の「ハニ」と同じです。神事に使う祭具などの材料になった、特別な粘土を指すのかも知れません。

練りこんだ赤土の粘土のようですから、イザナミのウンチと似ていたのかと思ったりします。

波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ)とは夫婦で、夫神になります。

波邇夜須毘売神(はにやすびめのかみ)

同じくイザナミの屎(くそ=糞)により生まれた神さま。波邇夜須毘古神(はにやすびこのかみ)の妻神。こちらも土器の神さま。

彌都波能売神(みつはのめのかみ)

イザナミの尿により生まれた神さま。女神なので、水の女神さまです。農耕民族である天神族にとっては水は欠かせないものです。「ミツハ」は水破のような気がします。ほとばしる水は神からの恵みに他ならなかったのでしょう。

この後、同じくイザナミの尿から生まれた和久産巣日神(わくむすひのかみ)を生んだのを最後にイザナミは死んでしまいます。この、和久産巣日神とは対になっているわけではないようです。

和久産巣日神(わくむすひのかみ)

イザナミの尿により生まれた神さま。豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)を生んだ神さまでもあります。イザナミが死ぬ前に生んだ最後の神さま。

「ワクムスビ」というのは生産の神さまだそうで、若く実を結ぶみたいな意味なのでしょうか、稲穂を次々と実らせていく若き生命力の神さまとします。

『日本書紀』では第二の一書に登場する。イザナミが火の神・カグツチを生んで死ぬ間際に、土の神・ハニヤマヒメ(埴山姫)と水の神・ミズハノメを生む。そこでカグツチがハニヤマヒメを娶り、ワクムスビが生まれたとしている。そして、この神の頭の上に蚕と桑が生じ、臍(へそ)の中に五穀が生じたとしている。

ワクムスビ (2018年10月21日 (日) 14:11 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

日本書紀でのワクムスビは、オオゲツヒメやウケモチのように、その屍から蚕や五穀を生みます。このことからも農耕生産の神さまであることは間違いないようです。

豊宇気毘売神(とようけびめのかみ)

和久産巣日神(わくむすひのかみ)の子。イザナミからみたら孫にあたるのでしょうか。トヨウケビメは大変重要な神さまです。当ブログでは、スサノオに殺されたオオゲツヒメ(アマテラス=卑弥呼)に変わって、卑弥呼となったのがトヨウケビメと考えています。

『古事記』では伊邪那美命(いざなみ)の尿から生まれた和久産巣日神(わくむすび)の子とし、天孫降臨の後、外宮の度相(わたらい)に鎮座したと記されている。神名の「ウケ」は食物のことで、食物・穀物を司る女神である。後に、他の食物神の大気都比売神(おほげつひめ)・保食神(うけもち)などと同様に、稲荷神(宇迦之御魂神)(うかのみたま)と習合し、同一視されるようになった。

伊勢神宮外宮の社伝(『止由気宮儀式帳』)では、雄略天皇の夢枕に天照大神が現れ、「自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の比治の真奈井(ひじのまない)にいる御饌の神、等由気太神(とゆけおおかみ)を近くに呼び寄せなさい」と言われたので、外宮に祀るようになったとされている。即ち、元々は丹波の神ということになる。

『丹後国風土記』逸文には、奈具社の縁起として次のような話が掲載されている[1]。丹波郡比治里の比治山頂にある真奈井で天女8人が水浴をしていたが、うち1人が老夫婦に羽衣を隠されて天に帰れなくなり、しばらくその老夫婦の家に住み万病に効く酒を造って夫婦を富ましめたが、十余年後に家を追い出され、漂泊した末に奈具村に至りそこに鎮まった。この天女が豊宇賀能売命(とようかのめ、トヨウケビメ)であるという。

尚、『摂津国風土記』逸文に、 止与宇可乃売神は、一時的に摂津国稲倉山(所在不明)に居たことがあったと記されている。また、豊受大神の荒魂(あらみたま)を祀る宮を多賀宮(高宮)という(外宮境内社)。

トヨウケビメ (2018年10月21日 (日) 14:28 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

丹波というのは現在の山陰道を指す古代の行政区のことです。丹波地方は阿波の海人族が入植して開いた地方です。海人たるスサノオがアマテラスとの戦いに敗れ、難民として丹波地方に流れて行ったのだと思います。

羽衣伝説に出てくる、天女を拉致(?)した老夫婦も阿波の海人族です。

あとがき

以上でイザナミとイザナギの神生み(産み)は終わります。次は「黄泉の国」の段になります。

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