大宜都比売の結婚

上記の続きです。

ハヤマトノカミ(羽山戸神)がオオゲツヒメの夫

スサノオノに殺されたはずのオオゲツヒメ(大宜都比売)ですが、後に結婚します。相手はハヤマトノカミ(羽山戸神)という神様です。ハヤマトノカミはオオトシノカミ(大年神)とアメチカルミゾヒメ(天知迦流美豆比賣)の子。オオトシノカミはスサノヲと大山津見の娘カムオホイチ姫の子になります。オホゲツヒメ(大気都比賣神)は自分を殺したスサノオの孫にあたるハヤマトノカミと結婚したのです。

  • オオトシノカミ スサノヲと大山津見の娘カムオホイチ姫の子
  • ハヤマトノカミ オオトシノカミとアメチカルミゾヒメの子

イザナミ、イザナギの子であるオオゲツヒメと、イザナギの鼻から生まれたスサノオは、姉弟にあたります。(少なくとも父は同じ)その姉たるオオゲツヒメとスサノオの孫にあたるハヤマトノカミが結婚するのは無理があると思います。しかも子どももたくさん儲けています。殺されたオオゲツヒメとハヤマトノカミと結婚したオオゲツヒメは同一人物なのでしょうか?

同一神ではないという解釈が多いようです。

「又」について

食物を大気津比売神に乞ひき。爾に大気津比売、鼻口及尻より、種種の味物を取り出して、種種作り具へて進る時に、速須佐之男命、其の態を立ち伺ひて、穢汚して奉進ると為ひて、乃ち其の大宜都比売神を殺しき。

スサノオにオオゲツヒメは殺されるわけですが、高天原で大暴れするスサノオの物語と、ヤマタノオロチを退治する物語、2大スペクタル巨編の間に挟まれた物語としては、あまりに簡素な小エピソードに見えるオオゲツヒメの物語。ただ、もてなし、穢いと殺されるだけです。

「又食物を大気津比売神に乞ひき。」の「又」ですが、高天原からの追放の後、唐突に「又」から始まるオオゲツヒメ殺しの一文。短い文です。この「又」は何の「又」なんでしょうか。無理やり挟み込んだ一文のように見えますが、この「又」の前に何か抹殺された物語があったように思えてなりません。当初は存在した物語に続いて「又食物を大気津比売神に乞ひき。」と始めるのではないかと思えるのです。

ハイヌウェレ型神話

オオゲツヒメの死体から五穀が生まれる話は、ハイヌウェレ型神話と呼ばれています。世界各地に見られる食物起源神話の型式の一つです。

インドネシア・セラム島のヴェマーレ族の神話

ココヤシの花から生まれたハイヌウェレという少女は、様々な宝物を大便として排出することができた。あるとき、踊りを舞いながらその宝物を村人に配ったところ、村人たちは気味悪がって彼女を生き埋めにして殺してしまった。ハイヌウェレの父親は、掘り出した死体を切り刻んであちこちに埋めた。すると、彼女の死体からは様々な種類の芋が発生し、人々の主食となった。

ハイヌウェレ型神話 (2018年6月日7日 (木) 20:51 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

日本神話にハイヌウェレ型神話的なお話があることは、中国経由で東南アジアから伝わった可能性があると書かれていますが、どうなんでしょうね。動物の死体が肥料になったというだけの話(何処にでもある)のような気もします。五穀の伝播ルートの問題じゃないかと思います。稲作が中国伝来というのも、崩れつつある説なのも事実ですから。

オオゲツヒメの登場は4回

当初7回とか書いたオオゲツヒメの登場回数ですが、今のところ4回しか見つけられませんでした。それも、4回目は別の神ではないかというのが一般的な見解のようです。じゃあ3回?

徳島県でオオゲツヒメを祭る神社

  • 上一宮大粟神社(徳島県名西郡神山町)
  • 一宮神社(徳島県徳島市)
  • 阿波井神社(徳島県鳴門市)

この中でも、阿波井神社は船でないと渡れないという、ファンキーな神社です。

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