日本刀の原点、十束剣

カグヅチを切った剣

日本神話の剣といえば草薙剣(くさなぎのつるぎ)が有名かと思います。何しろ、三種の神器のうちの一つですから。草薙剣は、別名天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ、あまのむらくものつるぎ)といいます。こちらの呼び名も有名です。

草薙剣は、スサノオがヤマタノオロチを退治した時に、ヤマタノオロチの尻尾から出てくるのですが、この時、スサノオがヤマタノオロチに切りつけた剣が、十束剣(とつかのつるぎ)です。十束剣は、ヤマタノオロチの尻尾に切りつけたさい、草薙剣に当たって欠けてしまいます。さすがは三種の神器の草薙剣です。硬いのは硬い。

古事記で最初に十束剣が出てくるのが、イザナミの女陰を焼いて生まれてきたカグヅチを、イザナギが切り殺した時です。この時にイザナミが振るったのが十束剣です。この時点では、十束剣が草薙剣のように、一振りの剣を指しているのだと思っていました。十束剣と命名された唯一無二の一振りがあると。それがどうも違うようです。

様々な場面で登場していることや「10束(束は長さの単位で、拳1つ分の幅)の長さの剣」という意味の名前であることから一つの剣の固有の名称ではなく、長剣の一般名詞と考えられ、それぞれ別の剣であるとされる。 記紀ではアマテラスとスサノオの誓約の場面などで記述される。ここでは固有名詞の「十束剣」とだけ記述される。 (古事記ではスサノオが持っていた十拳剣を物実として、アマテラスが口に含みかみ砕き息から3柱の女神(宗像三女神)を産んでいる)

十束剣 (2018年6月22日 (金) 22:37 UTCの版)『ウィキペディア日本語版』

十束剣は様々なシーンで登場します。有名なのは、タケミカヅチが「出雲の国譲り」の段において、アマテラスの命により、出雲の伊耶佐小浜(いざさのおはま)に降り、十束剣を逆さに突き立てて、その切っ先に座り込み、オオクニヌシに対して国譲りを迫るシーンです。

タケミカヅチはカグヅチの血から生まれた神さまです。いわば、父を殺した剣を愛用しているということになります。人間の常識で考えれば、父を殺した剣を何の思いもなく、使うことができるでしょうか。うがった見方をすれば、タケミカヅチは十束剣により生まれたと考えられなくもないですが。古事記にはカグヅチの血から生まれたとあります。

イザナギがカグヅチを殺した剣、スサノオがヤマタノオロチを退治した剣、タケミカズチがオオクニヌシを呪った剣がすべて同じ剣なのでしょうか。ウィキペディアにあるように、十束剣というのは、ある種の刀剣の様式名なのかもしれません。

十束剣の別名

いろんなシーンで登場する十束剣ですが、回数が多い分、別名として与えられた名も多いです。

  • 「十握剣」「十拳剣」「十掬剣」
  • 「天之尾羽張」(あめのおはばり)または「伊都之尾羽張」(いつのおはばり)
  • 「天羽々斬」(あめのはばきり)
  • 「大量」(おおはかり)、亦の名に「神度剣」(かむどのつるぎ)
  • 「佐士布都神」(さじふつのかみ)、「甕布都神」(みかふつのかみ)または「布都御魂」(ふつのみたま)

他にもありそうですが。こうしてみると、十束剣という一般名称の剣に、いろんな別名がつくのはおかしいかもしれません。それでは、十束剣というたった一振りの剣がこれだけの別名を持っているのでしょうか。

草薙剣というのは、三種の神器として登場しますが、単なる象徴のようで、刀剣として使用する場面はありません。ヤマトタケルが火が回るのを防ぐために、草を薙いだときくらいじゃないでしょうか。(それで草薙剣という)

それに引き換え、十束剣は実際に活躍します。単なる武器としてでなく、呪術的な用途が多いのも特徴です。「出雲の国譲り」の段のタケミカヅチの所作もそうですが、イザナギが黄泉の国から逃げるさいに、十拳剣(十束剣)を後手(しりへで)に振って追っ手から逃れているシーンがあります。これも何かの呪いでしょう。つまり、十束剣は草薙剣より、はるかに霊力が強く、刀剣としての能力も高い剣といえます。

つづく。追記します。~思いつきで書いたので酷い文章・・・。

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