猿田彦とウズメ3

騎馬民族征服王朝説

東北ユーラシア系の騎馬民族が日本に進出し、ヤマト朝廷を立てたというのが騎馬民族征服王朝説です。若い頃、新書サイズの本で読んだことがあり、それが、歴史学の本であったか、騎馬民族征服王朝をモチーフにした小説であったかは忘れました。それが頭の中に残っていて、昨今の古代史を読むようになって、ほぼ、否定されていることを知りました。

手塚治虫大先生のcom版「火の鳥、黎明編」が連載されたのは昭和42年。同年、当時東大名誉教授だった江上波夫先生が、中公新書より「騎馬民族国家―日本古代史へのアプローチ」を刊行されました。その影響を受けたのか、「火の鳥、黎明編」では後半に、ニニギの命が馬に乗った征服者として登場します。ニニギと共にウズメも登場しますが、ウズメは天孫族ではなく、ニニギに征服され奴隷となった身分です。

火の鳥黎明編後半

火の鳥の2巻は黎明編の後半、黎明編は完結します。猿田彦の運命はどうなるのでしょうか。ウズメは登場するのでしょうか。

火の鳥 2 Kindle版

簡単なお話はこうです。

クマソの国を追われた猿田彦とナギはマツロの国へ向かいます。途中、見たこともない馬という動物に乗った兵に出くわし、戦いになります。兵は倒したのですが、後から現れた大群に捕まります。その王がニニギでした。ニニギは猿田彦とナギに、奴隷になるなら命だけは助けてやると言いますが猿田彦は断ります。

猿田彦とナギが殺されようとしたとき、皆の笑いものになるほど醜いウズメという女がニニギに命乞いをします。ウズメは猿田彦と夫婦になるというのです。兵たちは大爆笑です。皆はこの世で一番醜い女と夫婦になる猿田彦を笑いものにしたのです。猿田彦は嫌がりますが、ウズメにナギも殺されると言われ、しぶしぶ承知します。

皆の笑いものになりながら夫婦の式を終えた猿田彦は、化粧を落としたウズメを見て驚愕します。そこには絶世の美女が立っていたからです。ウズメはニニギから身を守るためにワザと醜い化粧をしていたのです。

ニニギはヒミコの国を征服に向かいます。猿田彦は自国に帰り、ニニギと戦いたいのですが、ニニギはその隙を与えてくれません。ウズメは自分が隙をつくるから逃げるように猿田彦に言い、ニニギの前で醜い化粧を落とします。ニニギはウズメが絶世の美女であることに驚き、その隙をついて猿田彦は逃亡し、自国に逃げ込みます。

猿田彦とナギはニニギと戦うのですが、敗れて二人とも死んでしまいます。ニニギはウズメを手に入れようとしますが、ウズメは猿田彦の子を身篭っており、殺すなら殺せとニニギに言い放ち、ウズメは去ります。ニニギはウズメを殺すことができず見送るだけでした。

これで疑問であった、「猿田彦はウズメという女と結婚した。」というのは思っていた通りでした。意外と覚えているもんですね。黎明編で猿田彦は死にますが、ウズメの妊娠で猿田彦の子孫は確保されたわけです。後天的に大きな鼻になった猿田彦の子孫の鼻が大きいのが解せませんが、マンガなので、まあよしとしましょう。それから、猿田彦の子々孫々まで影響するような贖罪は出てきませんでした。おかしいですね。

猿田彦とウズメだけを追っているのではしょっていますが、他の人のドラマも描かれています。何十年かぶりで「火の鳥、黎明編」を読んだのですが、やはり、よくできたスケールの大きいお話ですね。シリアスな内容を面白おかしく書くマンガって、現在もあるのでしょうか。こんなことできるのは手塚治虫大先生だけですね。

疑問の3つのうち、2つが黎明編で解決してしまいました。後は、御茶ノ水博士が猿田彦の子孫かどうかですが、これは現在発売されている版からは削られているという話もあり、マンガの中で確認することができないかもしれません。いずれにせよ、せっかくの機会ですから、全編ボチボチと読み進めていきたいと思います。

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